top of page
  • 執筆者の写真鷲頭有沙

風景写真とポートレート


先週末、熊谷桜堤にさくらを撮りに行ってきました。

桜は、作品づくりには難しい被写体だとおもいます。

それは、オリジナリティーを出すことがとっても難しいからです。

この時期、どこにでも、同じようなピンクの花を咲かせて、

「名所」と呼ばれる、写真好きなら誰もが撮りにいく場所があって、

「ここから撮ると綺麗に撮れる」なんて、みんなが同じ位置から、同じアングルで撮る、ということが起きてしまうからです。

カメラやレンズ の性能や腕は違えど、同じ場所から同じ被写体を撮るのに、全くもって違う写真にするには、少しの工夫では足らないのです。

最も綺麗に咲いているタイミングを狙って撮影日を選ぶことはもちろん、

その日の天気、時間帯、お日様が出ているタイミングを考えて撮ることが重要です。

人がいっぱいいて、桜の風情を無くしてしまうと思うのであれば、人がいない早朝の時間に撮る必要がありますし、青空と一緒に撮りたければ、晴れを待たなくてはいけない。

自然現象的なことだけでなく、

桜にアクセントをつけて撮影するなら、例えば、おしゃれなカップルがその場を通るのを待たなくてはいけない。

(モデルを用意しておいて、歩いてもらうこともできますが…)

じっと、自分が思う最高の瞬間を待つことができるかできないかで、作品としての完成度は違ってきてしまうわけですね。

風景写真家は、そういった場面を捉えるために、ずっとずっとシャッターを押すその瞬間を待っているそうです。

一方、ポートレート作品は、というと、

外で撮る場合には、自然現象条件を考えることは同じでありますが、じっと最高の瞬間を待つのではなく、最高の瞬間を被写体から引き出すというところが、大きく違う点です。

あんな表情して欲しい、こんな仕草が撮りたい、を自分から提案して引き出してコントロールするのです。

だから、ポートレートは、誰が撮ったか、で同じ被写体を撮っているのに出来上がる作品が大きく違うのです。

(決して風景写真が誰が撮っても同じになる、と言っているわけではありません)

風景写真とポートレート。

どちらも違っておもしろいです。

閲覧数:45回0件のコメント
bottom of page